7月より、男女の賃金差の公表の義務化

7月より、男女の賃金差の公表の義務化

男女の賃金格差、開示の義務化がスタート。雇用管理区分ごとの公表も必要

令和4年7月8日、女性活躍推進法に関する制度改正の改正省令・改正告示が公布され、同日から施行されることになりました。日本における男女間の賃金格差は、長期的に見ると縮小傾向ではありますが、他の先進国と比較すると依然として大きい状況です。

    日英独仏の男女間賃金格差(OECD)

こうした男女間の賃金格差の現状を踏まえ、更なる縮小を図るために制度改正が行われ、情報公表項目に「男女の賃金の差異」が追加され、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対して、公表が義務づけられることとなりました。

〔省令改正の概要〕

【1】情報公表項目に「男女の賃金の差異」を追加

これにより、省令第19条(公表事項)に、次の〔一〕のリが追加になります。

〔一〕女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績

イ 採用した労働者に占める女性労働者の割合

ロ 男女別の採用における競争倍率

ハ 女性労働者の割合

ニ 係長級にある者に占める女性労働者の割合

ホ 管理職に占める女性労働者の割合

ヘ 役員に占める女性の割合

ト 男女別の職種又は雇用形態の転換の実績

チ 男女別の再雇用又は中途採用の実績

リ 男女の賃金の差異

〔二〕 仕事と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績

イ 男女の平均継続勤務年数の差異

ロ 男女別の継続雇用割合

ハ 男女別の育児休業取得率

ニ 一月当たりの平均残業時間

ホ 雇用管理区分ごとの一月当たりの平均残業時間

ヘ 有給休暇取得率

ト 雇用管理区分ごとの有給休暇取得率

【2】301人以上企業へ「男女の賃金の差異」の公表を義務付け

これにより、企業規模別の公表義務は、次のようになります。

ア 〔301人以上企業〕については3項目開示義務

・男女の賃金の差異(必須)

・「機会提供」8項目から1項目選択

・「両立」7項目から1項目選択

イ 〔101~300人企業〕については1項目開示義務

・16項目(男女の賃金の差異+「機会提供」8項目+「両立」7項目)から1項目選択 ウ 〔1~100人企業〕については努力義務

【3】「男女の賃金の差異」は、雇用管理区分ごとに加えて、全労働者についても公表

これにより、公表イメージは次のようになります(数値は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合となります)。

-全労働者:○○.○%

-正社員:○○.○%

-有期・パート社員:○○.○%

【4】初回の情報公表は、今年7月の施行後に締まる事業年度の実績から

例えば、3月締めの会社であれば、2023年4月以降に公表を開始することになります。

出典元:公益社団法人全国民営職業紹介事業協会/ 「女性活躍推進法に基づく男女の賃金の差異の情報公表について」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000956021.pdf)を加工して作成

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