健康経営やウエルビーイング経営が注目される昨今、会社が健康な状態というのはどういうものか、想像しやすくなってきていると思います。反面、不健康な状態、望ましくない状態の会社というのはどのようなものか、考えてみたいと思います。
リモートワークの導入でメンタルヘルス不調者が増えた企業
リモートワークに限らず、ここ数年で働き方は大きく変化し多様化しました。それに伴い、メンタルヘルス不調の原因もこれまでとは異なる傾向が表れてきています。これまでは、「長時間労働」や「ハラスメント」といった、“人と人が深く交わることにより発生するストレス”が、メンタルヘルス不調の要因でした。一方、現在では「コミュニケーションのすれ違い」や「人事評価の不透明性」といった、“人と人が交わる機会が減ったことによるストレス”も要因となっています。
若年層の転職が増えてきた企業
Z世代やミレニアル世代といった若年層は、安全性や働きやすさといった労働条件に加えて、「働きがい」や「生きがい」を求めて積極的に職業選択に動きます。
これも従業員視点で捉えてみると、「キャリアアップのために別の職種にチャレンジしたい」というニーズを、今いる企業の中で満たすことができないために、転職するという決意になってしまいます。
女性従業員の離職率が一向に改善しない企業
人事が担う課題の中でも、離職はもっとも優先度の高いものの一つです。若年層に離職だけでなく、女性社員の離職率も注目すべきところです。特に女性従業員の場合、育児や介護が離職にいたるきっかけになります。育児や介護といった事情がある場合、テレワークやフレックスタイム制度が充実していると働き続けやすいかもしれません。長時間労働の改善などだけでなく、多様な働き方ができる環境作りも求められています。